PlanetDAO 那智勝浦プロジェクト始動!
PlanetDAOは不動産をトークン化し、オーナーシップをDAOで持つというプロジェクト。
前回は高山でのテストケースについて書いたけれど、今回は私たちの別ロケーション候補である和歌山県那智勝浦町の「色川村」という地域について。
*English version is here in the link below.
https://tamakinishimura.substack.com/p/planetdao-nachi-project-kick-off
和歌山県 那智勝浦町とは
和歌山県那智勝浦町は、羽田空港から飛行機で約1時間、南紀白浜空港から車を2時間弱走らせた先にある町。世界遺産の参詣道である熊野古道がある事が有名で、町の象徴としては日本三大滝としても知られている那智の滝がある。山の魅力だけではなく、海に面する町であることからその海の美しさを求めて訪れる人たちもたくさんいる。那智勝浦はまぐろの水揚げが盛んで、早朝の港には多種多様な新鮮なマグロが並ぶ。山や海など壮大な自然に囲まれた名湯にも恵まれていて、観光客にとってもとても魅力的なエリアとなっている。
和歌山県那智勝浦町とのつながりは、Location#0でも紹介した高山善光寺を運営しているシェアウィングが主催する、大泰寺で開催されたワーケーションに参加した際にお寺の住職から紹介を受けたことから始まった。住職は那智勝浦町にあるいくつかの無人寺の手入れをしており、それらの活用方法について模索しているとのこと。
日本の人口が減少傾向にあることから、地方の寺院の廃寺化が進んでいる。このような無住職寺院が放置されると、地域の宗教的信仰や文化活動が失われ、地域のアイデンティティーや文化的な結束感が低下することにも繋がってしまう。
また寺自体や寺内に保管されている文化財や歴史的建造物が朽ち果てることがあり、地域の文化遺産が破壊される問題がある。那智勝浦エリアだけでも40の無住寺院が存在するとのこと。
那智の山道を登りきったところにある色川村。険しい山々に囲まれたこの集落には千年以上も前に人々が住みついていたそうだ。40年ほど前からは、農薬や機械に頼らない有機農業を中心とした新しい暮らしのあり方を実現する為に若い家族が色川に移住し始め、今や、村の人口の半数以上が移住者の家族だそう。
色川村にある無人寺「楞厳寺」(りょうごんじ)は登録有形文化財の、100段以上ある石段の上に経つ地域の人々が守りたい大切な寺のひとつ。高台の上にある為、村が一望でき、遠くには海が見える。PlanetLabsとしては、楞厳寺・また色川村が那智勝浦エリアでの第一拠点としての可能性があるとみている。
那智勝浦大辺路エリアのプロジェクトについて
現地視察後、那智勝浦内の大辺路(おおへじ)エリアにある無人寺活用の可能性を模索する名目で観光庁から助成金を頂く形で2023年8月よりプロジェクトがスタートした。
大辺路とは熊野参詣のルートの一つで、田辺市から那智勝浦町までの海沿い約120kmの区間を指す。大辺路は時間に余裕のある庶民や文人参詣ルートとしては中辺路が多用されていた。
熊野参詣のルートとしては中辺路が多用されたため、大辺路は時間に余裕のある庶民や文人墨客が海沿いの風景を愛でながら歩いた道であった為、部分的には近代的な開発を免れ、当時の景観が比較的残されている。江戸時代初期には紀州藩の藩主の大行列もこの道を通過したことから宿坊として使われていたお寺も多く存在している。
今回の色川プロジェクトにおいても私たちと色川村の人たちの間には、初期の頃に研修生として入植し、地域の活動に長らく尽力されてきた原和男さんが架け橋役となってくださっている。役所のちからを借りず、彼が移住者希望者の窓口となっていたそう。原さんは地域の事はもちろん、彼自身の熱い思いも伝えてくださる。
(以下、原さんインタビュー記事)
おかげさまで、なんです」NPO法人 地域再生ネットワーク 理事長 / 農家 原和男さん | 物語を伝える記事制作 / Screen
9月には大泰寺にて第一回目の色川村の地域住民との顔合わせを開催。(大事な会なので現地入りしたかったが西村は出産2週間前だったので、オンラインで参加。PlanetLabsメンバーの小山が現地入りしてくれた)
今後について
一つの大きなマイルストーンとしては、2023年冬に開催するPlanetDAOへの参加を検討している人たち向けのツアーを行う予定。こちらでは熊野古道の参詣や海沿いなどの魅力的な観光スポットを見てもらいつつ、大泰寺での体験、無住院や色川村の視察、また地域住民との交流などを企画中。
プロジェクトについてはPlanetDAOのTwitterか、以下のDiscordにて随時発信している。興味を持っていただけたら、ぜひDiscordへの参加とTwitterのフォローを!
(余談)農泊JUGEMUさんへの宿泊
色川村への視察の夜は、色川村にある農泊「JUGEMU」さんに宿泊。JUGEMUを営む壽海夫婦は2013年に色川へ越してきたそう。米や野菜などすべて有機未農薬栽培したり、お風呂を焚く薪木も自分たちで調達するなどできる限り自分たちの手で育てたもので生活しているそうだ。
JUGEMUさんのインタビュー記事
参考文献
わかやま観光情報|街道マップ 熊野古道 大辺路 | 和歌山県公式観光サイト
受け継がれる、先人たちの知恵。昔と変わらず地を這って、熊野の大地を耕し続ける、二組の夫婦を訪ねる。 - 「雛形」違和感を観察する ライフジャーナル・マガジン